同じ写真が72枚あった — 1,162枚を総当たりで照合した記録
地図で隣り合う壁紙が同じ写真に見える、という指摘から、収録していた1,162枚の約67万組を特徴点で照合しました。大きさや縦横比の違う同じ写真66グループ・72枚を整理し、色違いのシリーズは別の作品として残しています。
2026年9月の終わりに、「地図で隣り合っている壁紙が、同じ写真に見える」という指摘を受けました。確かめてみると、本当に同じ写真でした。重複はそれまでにも 2 回整理していたのに、まだ残っていたのです。この記事は、なぜ見逃していたのか、どうやって全部を見つけたのか、そして何を残して何を消したのかの記録です。
なぜ見逃していたか
2026年7月にも、似た画像 127 枚と重複 55 枚を整理していました。そのときの自動チェックは、画像を小さく縮めて、画素の色を 1 つずつ比べる方法です。まったく同じ画像や、少しだけ色が違う画像なら見つけられます。
ところが、残っていた重複の多くは、同じ写真から作られた、大きさと縦横比の違う 2 枚でした。たとえば Android 向けの 1440×2560 と、iPhone 向けの 1242×2688 です。iPhone 向けのほうが細長いので、同じ写真でも左右の切り取り方と拡大率が違います。こうなると、画素を同じ位置どうしで比べる方法では、まったく別の画像に見えてしまいます。
特徴点で、全部の組を比べた
そこで、画像の中の「特徴点」で比べる方法に切り替えました。特徴点とは、建物の角や枝の分かれ目のように、周りと区別しやすい小さな点です。同じ写真なら、切り取り方や拡大率が違っても、同じ特徴点が同じ並び方で見つかります。今回は SIFT という、写真の照合でよく使われる方法を使いました。
当時の収録は 1,162 枚で、2 枚の組み合わせは約 67 万組あります。これを 2 段階で調べました。
- 粗いふるい分け: 画像を長い辺 300 ピクセルに縮め、1 枚あたり 150 個の特徴点で全部の組を比べる。一致する点がある程度多い組だけを残す(パソコンの処理を並列にして、約 80 秒)
- 精査: 残った組を、長い辺 400 ピクセル・600 個の特徴点で比べ直す。一致した点どうしが、拡大・回転・移動だけで重なるかどうかを確かめ、そのときの倍率と角度も記録する。左右反転した画像も比べる
最後に、一致した 2 枚を実際に重ね合わせて、色の差と重なる範囲の広さを測りました。これで、候補を「同じ写真」「同じ写真の色違い・加工違い」「一部分だけが共通(同じ素材を合成したものなど)」の 3 つに機械的に分けています。
見つかったもの
| 分類 | グループ数 | 枚数 | 扱い |
|---|---|---|---|
| 同じ写真 | 66 | 72枚を整理 | 画質の高い 1 枚を残した |
| 色違い・加工違い | 18 | 46枚 | 別の作品として残した |
同じ写真のグループは 66 あり、整理したのは 72 枚でした。そのうち 56 枚は 1242×2688 の版です。そのため、1242×2688 の壁紙は 115 枚から 59 枚に減りました。
色違い・加工違いは、たとえば秋の並木の写真のカラー版と半分だけ白黒にした版、白鳥のボートの写真に別の空を合成した版などです。同じ写真がもとになっていても、見た目の印象ははっきり違うので、別の壁紙として残しています。
どちらを残したか
同じ写真のうちどれを残すかは、次の順で決めました。
- 画素数が多いほう。大きい画像のほうが、どの機種でも引き伸ばしが少なくて済みます
- 画素数が同じなら、「編集部が選んだ壁紙」に入っているほう
- それでも同じなら、細部がくっきりしているほう(画像の鮮鋭度を測って比べました)
整理した壁紙のページは消さずに、残した壁紙のページへ自動で移るようにしています(日本語・英語・スペイン語とも)。以前の URL をブックマークしていたり、お気に入りに入れていたりしても、同じ写真の残した版が表示されます。
整理したあと
収録は 1,162 枚から 1,090 枚になりました。整理のあとにもう一度、全部の組を同じ方法で照合し、同じ写真の組が 0 になったことを確かめています。強く一致する組は 25 組残っていますが、すべて残すと決めた色違い・加工違いです。
これからは、新しい壁紙を加える前に、既存の壁紙と同じ写真がないかをこの方法で確かめてから載せます。地図は似た雰囲気の壁紙を隣に並べる仕組みなので、同じ写真が紛れ込むといちばん目立つ場所に出てしまいます。今回の指摘は、その弱点をはっきり教えてくれました。